熊本地震から10年、そして今日また震度7|二度の震度7が教える命を守る備え
奇しくも、2016年の熊本地震から10年という節目の年に、再び熊本を最大震度7の揺れが襲いました。10年前の熊本地震は、日本の観測史上初めて同じ地域で震度7を2回記録した地震です。その経験が残した教訓を振り返りながら、いま私たちが命を守るためにできることを、公式情報をもとにまとめました。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
- 2026年7月28日、熊本で最大震度7(M7.1)。有明・八代海に津波注意報
- 大地震のあとは「余震」でなく、より大きな揺れも起こり得る。1週間は警戒
- 2016年熊本地震の犠牲者の約8割は「災害関連死」。避難生活の備えが命を守る
2026年7月28日|熊本で最大震度7(速報)
気象庁によると、28日午後4時27分頃、熊本県熊本地方を震源とする地震が発生しました。震源の深さは約10km、地震の規模はマグニチュード7.1と推定され、宇城市・氷川町で最大震度7を観測しました。この地震で有明海・八代海に津波注意報が発表されています。
| 震度 | 主な地域(一部) |
|---|---|
| 震度7 | 宇城市、氷川町 |
| 震度6強 | 熊本市南区、八代市、宇土市、美里町、益城町 |
| 震度6弱 | 合志市、大津町、西原村、御船町、上天草市、芦北町 |
| 震度5強〜5弱 | 長崎県南島原市、鹿児島県薩摩川内市、福岡県柳川市・大川市 ほか |
- 津波注意報:有明海・八代海。予想される高さは20cm〜1m。20〜30cmでも危険です
- 長周期地震動:八代市・宇城市で最も危険な階級4(立っていられず、はわないと動けない)を観測
- 交通:JR九州は九州の全列車で運転を見合わせ(発生直後の情報)
- 余震:地震のあとも熊本県内で揺れが相次いでいます
※ 数値・観測地点は発生当日の発表にもとづきます。最新の震度・津波・被害情報は気象庁および報道機関の発表を必ずご確認ください。
いま、身を守るためにすること

1. 津波注意報が出ている地域では
- 海の中にいる人はただちに海から上がり、海岸・河口から離れる
- 「20cmくらいなら」と考えない。速い流れに巻き込まれます
- 注意報が解除されるまで、海に入ったり海岸に近づいたりしない
2. 「余震」と思わず、次の大きな揺れに備える
大地震のあとは、最初と同じか、それより大きな揺れが起こることがあります。2016年の熊本地震では、最初の地震の約28時間後に、より規模の大きい地震が発生しました。少なくとも1週間程度は強い揺れに警戒してください。
- 倒れやすい家具から離れて過ごす。寝るときは頭の近くに物を置かない
- ヘルメット・スリッパ(ガラス対策)・懐中電灯を手の届く所に
- 建物に大きな損傷がある場合は無理に中に留まらない。指定の避難場所へ
10年前の熊本地震(2016年)の記録
2016年(平成28年)4月14日21時26分、熊本県益城町で震度7を観測する地震が発生しました(前震)。その約28時間後の4月16日1時25分、西原村・益城町で再び震度7を観測する地震が起きました(本震)。同じ地域で2日間に震度7を2回観測したのは、気象庁の観測史上初めてのことでした。
益城町で記録された揺れは計測震度6.7に達し、これは東日本大震災で宮城県栗原市が記録した計測震度6.6を上回る、国内観測史上最大級の揺れでした。
- 熊本城:櫓の多くが全壊、石垣が崩落。修復完了は2052年を見込む
- 阿蘇大橋(南阿蘇村)が崩落、高速道路・国道が土砂崩れで寸断
- 九州新幹線で回送列車が脱線、停電・断水・ガス停止・通信断が広範囲に
最大の教訓「災害関連死」
熊本地震がもう一つ残した重い教訓が、「災害関連死」の多さです。建物の倒壊などによる直接死に対し、避難生活の過酷さや持病の悪化などで亡くなる災害関連死が200人を超え、犠牲者の約8割を占めました。直接死の4倍を超える数です。
関東大震災は火災、阪神・淡路大震災は倒壊、東日本大震災は津波が最大の犠牲原因でした。熊本地震は、「災害関連死」という第4の顔に十分注意すべきだという教訓を残したとされています。背景には次のような要因がありました。
- 相次ぐ余震への不安からの車中泊と、それによるエコノミークラス症候群
- 避難所の環境(睡眠・衛生・温度)の悪化、持病やストレスの悪化
二度の震度7に学ぶ、今日からの備え
熊本地震は、「新耐震基準の家でも、震度7が二度続けば倒れることがある」という現実を突きつけました。今日からできる備えを、揺れ対策・停電断水・避難生活の3方向で整えておきましょう。

揺れから身を守る
- 背の高い家具は固定。寝室・出入口の動線に倒れる物を置かない
- ガラスの飛散防止フィルム、food・食器棚の開き止め
停電・断水に備える
- 飲料水は1人1日3L×最低3日分。非常食もローリングストックで
- 停電時にスマホ・照明・扇風機を動かせる電源を確保
避難生活(関連死を防ぐ)
- 車中泊は足を動かす・水分をとるを徹底。可能なら足を伸ばせる工夫を
- 常備薬・お薬手帳(写真)・持病の情報をまとめておく
- まず自宅の安全が確認できれば在宅避難も選択肢。備蓄が支えになる
よくある質問(FAQ)
津波注意報が出ているときはどう行動すればいい?
海や川からすぐに離れ、海岸・河口に近づかないでください。想定は20cm〜1mですが、20〜30cmでも速い流れに巻き込まれます。注意報が解除されるまで海に入らず、気象庁・自治体・NHKの最新情報で行動してください。
大きな地震のあと、また同じくらいの揺れは来ますか?
起こり得ます。2016年の熊本地震では最初の地震の約28時間後により大きな本震が発生しました。気象庁は最大震度5弱以上のあと、同程度以上の地震に注意するよう呼びかけています。1週間ほどは強い揺れに警戒してください。
熊本地震はなぜ災害関連死が多かったのですか?
2016年の熊本地震では犠牲者の約8割が、倒壊などの直接死ではなく災害関連死でした。車中泊によるエコノミークラス症候群、避難生活の過酷さ、持病の悪化が背景です。体を動かす・水分をとる・避難所環境を整えることが命を守ります。
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